第 046 回
天理市の石上神宮(いそのかみじんぐう)は、深い杜の中に静かに佇む古社である。
うっそうとした木々の間を、ひとすじの参道が奥へと続いていく。境内では、神の使いとされるニワトリたちが、訪れる人にも構わず、思い思いの方向へと歩いている。誰かに頼まれたわけでも、誰かに見られているわけでもない。ただ、そこにいる。
石段の脇に積もる苔が、ここに流れてきた長い年月を静かに語っている。
「私は何も貢献出来ていないから...」
心配ないよ。
あなたが、『人にされてイヤだったことを別の人にしない』それだけで
(負の連鎖を断って)社会に貢献出来ている。
もし、『自分がされて嬉しかったことを人にする』ことが出来れば、
さらに社会は良くなっていく。
誰かの「しなかった」に、どれほど救われてきたか——それを思うと、自分の一日も少しちがって見えてくる。