第 069 回
吉野山の奥深く、古木に守られるように吉野水分神社が建つ。水を司る神を祀り、古くから農耕の民に仰がれてきた場所である。
境内の石畳を歩くと、どこからともなく水の音がする。社の裏手の斜面から、水が絶えず湧き出している。細い流れとなって苔の上を滑り、岩の間を抜け、谷へと下っていく。
その流れは谷川となり、やがて吉野川となって、はるか下流の盆地まで届く。
自分に尋ねてみよう。
無理し過ぎて疲れていないか?
『他者貢献』は、『自己犠牲』や『滅私奉公』ではない。
これを間違うとしんどくなり、逆に他人に八つ当たりして 関係を破壊する。
正しく、本末転倒になる。
まずは、自分を満たそう。
自分が満たされることで自分の芯ができ、初めて『他者貢献』できるのである。
自分への問いかけは、やわらかい声でいい。叱るためではなく、ただ気づくために。