第 068 回

春日山の原生林から湧き出た水が、吉城川として奈良公園の木立の間を静かに流れていく。

朝の風のない時間、川面は空の青と岸の木々の緑を映し出す。水は絶えず動いているのに、映る景色はゆらぎながらも確かにそこにある。

岸辺に立ってのぞき込むと、自分の顔が映っている。

" 人の振り見て我が振り直せ "

これには、2つの意味がある。

まずは一般的に言われる、
①他人の振る舞いを参考にし、自分自身の言動を改善する。

次に捉え方を変えて、
②他人の振る舞いの原因が、自分自身にも起因するのではないかと自分を省みる。

周囲は自分を映す鏡である。

他人の姿に何かを感じるとき、それはたいてい、自分の中の何かが動いている。

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