第 063 回

奈良市の東、山の中に、柳生街道と呼ばれる古道がある。剣聖・柳生石舟斎の里、柳生の庄へと続く約十四キロメートルの山道だ。

江戸時代、若い武士たちはこの道を歩いて修行の地へ向かった。近道はない。岩を越え、沢を渡り、木の根が張り出した急坂を、ただ一歩一歩進むほかなかった。

木漏れ日が揺れ、鳥の声だけが聞こえる。道の先は木々に隠れて見えない。それでも、足を動かし続ける者だけが、次の景色にたどり着くことができる。

" もし、自分がいきなり何もかも出来る万能な人間だったら。 "

きっと、面白くないはずだ。

『出来ない』という『不自由さ』を自分の努力で、
『出来る』という『自由』に変えて行く過程こそ、面白いのだから!!

旅も、『いきなり目的地』はありえないでしょう?

転んだ場所、息を整えた場所、立ち止まって空を見上げた場所。それらすべてが、あなたの旅の一部だ。目的地に着いたとき、その重みがわかる。

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