第 054 回
白毫寺は、奈良市の東の端、なだらかな丘の中腹に建っている。
石段を登りきると本堂が現れ、その手前で視界が急に開ける。眼下に奈良市街が広がり、屋根が連なり、遠くに東大寺の大屋根が重なるのが見える。南には春日山の稜線が空へと続き、北には若草山がやわらかな弧を描いている。
あの広がりの中に、数え切れないほどの人の暮らしがある。でも、ここに一人で立つと、ひどく静かで、ひどく遠い。
人は、 1人で生まれて来て、1人でこの世を去る。
とても孤独なもの。
この事実・宿命からは逃れられない。
だからこそ、" 仲間 " が尊い。
あなたの周りの " 仲間 " を尊重し、たいせつにしよう。
一人でこの丘に立つから、あの街の灯のありがたみが、深く沁みてくるのかもしれない。