第 037 回
東大寺の南大門をくぐると、左右から仁王像が迫ってくる。高さ約8.4メートル、運慶・快慶らがわずか69日で彫り上げたとされる傑作だ。
長い間、二体を見上げていた。義務感だけから生まれた仕事に、これほどの魂が宿るだろうか、と。
彫り跡に満ちているのは、「彫らなければならない」ではなく、「彫りたい」という熱であったに違いない。
『○○しなければならない。』
これでは、いつか気持ちが折れる。
『○○したいからする。』
これに勝るものはない。
「しなければならない」と感じた瞬間から、その行いは重くなる。だが「したい」という気持ちから生まれた行動には、疲れさえも意味に変わる力がある。今日の自分に問いかけてみよう——この一歩は、義務か、それとも想いか。