第 030 回
薬師寺の東塔を、初めて見上げたとき、思わず立ち止まった。
「凍れる音楽」と称されるほど美しいその塔は、奈良時代からここに立ち続けている。雨の日も、戦乱の時も、時代が変わっても——ただ、この場所に在り続けてきた。
ふと気づく。あの時代を生きた人も、今ここに立っているあなたも、「いま」という同じ時間を生きている。違いは何か。彼らは「明日」を待ちながら生きてはいなかった。ただ、その「いま」の中に、全てがあった。
今、この瞬間を楽しみ、精一杯生きよう!
まだ先の未来を憂えたり、期待するのは止めて。
未来は、その時になれば、“ いま ” になる。
つまり、“ いま ” を楽しめなければ、楽しめる時は未来永劫来ることはない。
「楽しめる未来」はいつまでも来ない。来るのは、いつだって「いま」だ。今日の一瞬に、全力で向き合ってみよう。