今日のひと言 › 第015回
第 015 回
五月の奈良、朝の参道。
鹿が草をはむ音だけが聞こえる、静かな時間に足が止まった。
「今日、あれをやってみよう」——そう思いながらも、一歩が出ない朝がある。
でも、考えてみると、「できるかどうか」を悩んでいた時間は一度も自分を前に進めてくれなかった。前に進んだのは、いつも「やろう」と決めた、あの一瞬だった。
「できるか、できないか?」ではなく、「やるか、やらないか?」。
「やればできる」し、「やらなければできない」——ただそれだけだ。
悩む時間より、動く一秒のほうが、ずっと遠くへ連れて行ってくれる。