第 073 回
葛城古道は、奈良盆地の西縁を南北に走る古い道だ。飛鳥時代よりさらに昔、人々が往き来したとされるこの道は、大和平野を見渡しながらゆるやかに起伏を繰り返す。
夏の朝、道を歩き始めた。最初の上りは足が重く、息も上がった。やがて稜線に出ると、やわらかな風が吹き、眼下に奈良盆地が広がった。遠く三輪山、畝傍山、耳成山——大和三山が霞の中に静かに並んでいる。
しばらくそこに立ち、ただ景色を見ていた。急ぐ必要は、今はない。
人生はマラソンの様なもの。
頑張り時はペースを速め、
休み時はペースを緩める。
自分でペースをバランスよくコントロールして
人生という長いレースを走りきる。
短距離のペースで、マラソンを走り切ることは出来ない。
もし疲れているなら、休むのを恐れてはダメだ。
道の長さは、歩き出す前から決まっている。変えられるのは、歩き方だけだ。