第 072 回
奈良市内、東大寺に程近い場所に、依水園という日本庭園がある。前園と後園に分かれた池泉回遊式の庭で、春日山と東大寺の大屋根を借景に取り込みながら、水と木々と石が静かに寄り添っている。
夏の朝、庭に人影はほとんどない。池の面は鏡のように澄み、岸辺の松の葉先から滴った雫がひとつ落ちると、同心円がゆっくりと広がって消えた。
特別なことは、何もない。ただそこにある木々が、ただそこにある石が、庭のなかに静かな時間をつくりだしていた。
あなたの存在が
あなたの笑顔が
あなたの何気ないやさしさが
わたしの心を癒し、世界に安らぎをもたらす。
頑張り過ぎなくていい、ただ居てくれるだけでいい。
いつもありがとう。
特別でなくていい。目立たなくていい。あなたがここにいてくれること——それがすでに、誰かの心の光になっている。