第 025 回
唐招提寺は、鑑真和上が6度目の渡航でようやく日本の土を踏み、建てたお寺だ。
嵐に遭い、難破し、捕らえられ、それでも諦めなかった。ついに奈良に辿り着いたとき、鑑真はすでに両目の光を失っていた。
それでも彼は、残りの生涯を眼前の一人ひとりに心を込めて向き合い続けた。偉大なことを成し遂げようとしたのではなく、ただ、目の前の人に全力で向き合った。
その静けさが今も、唐招提寺の境内に漂っている。
かつて、ある偉人は言った。
「大切なのは、『どれだけたくさんのことや偉大なことをしたかではなく、
どれだけ心を込めたか』です。」
仮に日々、同じ場所・同じ相手であっても、
毎日の一期一会に感謝し、心を込めて接したい。
それが今日という日を精一杯生きるということではないか。
「どれだけ心を込めたか」——それだけが、本当の意味で残るものかもしれない。